「飛べないくまんばち」 日本の劇戯曲賞2014の最終候補作です。改稿してさらに良くなってますよ。「飛べないくまんばち」【あらすじ……僕のひとりごと】 あの日も朝からいつものように、スクーターに乗って工場へ向かってた。少し寝坊して、少し遅れそうだった。遅刻には厳しい勤めだったから、スクーターを飛ばしてた。 でも別に、仕事を大事に思ってるとか、なにか責任のある立場にあるってわけじゃない。組織の一部。機械の歯車。交換可能。 と――目の前をなにかが横切った。黒くて、寸詰まりで、ブンブンうなってて――ハチだ。くまんばち! なんだよ! あぶないって。ジコるって。仕方なく、僕は急ブレーキをかけた。目の前は青信号だってのに。 その時、顔の前を飛んでるくまんばちと目が合った。――と、父さん!? そのくまんばちは――僕の死んだ父さんだった!!! ...14May2020